副業の確定申告が必要になる条件とは?20万円ルールを正しく理解しよう
副業で収入を得ている会社員にとって、確定申告は避けて通れない手続きです。しかし「副業の確定申告のやり方がわからない」「そもそも自分は申告が必要なのか」と悩む方は少なくありません。
この記事では、副業の確定申告のやり方を初心者にもわかりやすく、手順ごとに丁寧に解説します。2026年(令和7年分)の最新の税制改正にも対応しているので、ぜひ最後までお読みください。
副業所得20万円超で確定申告が必要
会社員が副業をしている場合、副業の所得が年間20万円を超えると確定申告が必要です。ここで重要なのは「収入」ではなく「所得」で判断するという点です。
所得の計算式は以下の通りです。
所得 = 収入(売上)− 必要経費
たとえば副業の年間売上が30万円でも、経費が15万円かかっていれば所得は15万円となり、確定申告は原則不要です。ただし、住民税の申告は所得が1円でも必要な点に注意しましょう。
確定申告が不要でも申告した方がよいケース
以下に該当する場合は、20万円以下でも確定申告をした方がお得になる可能性があります。
- 副業の報酬から源泉徴収されている(税金の払い過ぎを取り戻せる)
- 医療費控除やふるさと納税の控除を受けたい
- 年の途中で退職し、年末調整を受けていない
【2026年最新】令和7年分の確定申告スケジュールと変更点
申告期間は2026年2月16日〜3月16日
令和7年分(2025年1月1日〜12月31日の所得)の確定申告期間は以下の通りです。
| 項目 | 期限 |
|---|---|
| 所得税の申告・納付 | 2026年2月16日(月)〜 3月16日(月) |
| 振替納税の口座引き落とし | 2026年4月下旬(予定) |
| 消費税の申告・納付 | 2026年3月31日(火)まで |
期限を過ぎると無申告加算税(最大20%)や延滞税(年最大14.6%)が課される可能性があるため、早めに準備を進めましょう。
2026年提出分の主な税制改正ポイント
令和7年分から適用される主な変更点は次の通りです。
- 基礎控除の拡大:合計所得金額132万円以下の場合、基礎控除が48万円から最大95万円に引き上げ
- 給与所得控除の引き上げ:最低保障額が55万円から65万円に変更
- 「103万円の壁」が「160万円の壁」に:所得税が発生しない年収の上限が拡大
- 特定親族特別控除の新設:19歳以上23歳未満の親族を扶養している場合に適用可能
副業をしている会社員にとっても、基礎控除の拡大は手取り増加につながる重要な改正です。
副業の確定申告に必要な書類一覧
全員が必要な書類
副業の確定申告で準備すべき基本書類は以下の通りです。
| 書類名 | 入手方法 |
|---|---|
| 本業の源泉徴収票 | 勤務先から発行(12月〜1月頃) |
| マイナンバーカードまたは通知カード | 市区町村窓口 |
| 副業の収入がわかる書類(支払調書など) | 取引先から発行 or 自分で記録 |
| 経費の領収書・レシート | 日頃から保管 |
| 銀行口座情報(還付金振込用) | 通帳やネットバンキング |
青色申告を選ぶ場合に追加で必要な書類
- 青色申告承認申請書:開業届と合わせて事前に税務署へ提出(開業日から2カ月以内)
- 複式簿記による帳簿:仕訳帳・総勘定元帳など
- 貸借対照表・損益計算書:決算書として提出
なお、副業が「雑所得」に分類される場合は青色申告の対象外となります。事業として継続的に行っている場合は「事業所得」として申告できる可能性があります。
副業の確定申告のやり方を5ステップで解説
ステップ1:副業の所得区分を確認する
まず、自分の副業がどの所得区分に該当するかを確認しましょう。
| 所得区分 | 該当する副業の例 |
|---|---|
| 給与所得 | アルバイト・パート(雇用契約) |
| 事業所得 | フリーランス・個人事業(継続的・独立性あり) |
| 雑所得 | 単発のライティング・フリマ販売・アフィリエイト(小規模) |
| 不動産所得 | 賃貸経営による家賃収入 |
2022年の通達改正により、帳簿を作成・保存していない場合は原則として雑所得に分類されます。事業所得として申告したい場合は、日頃から帳簿をつけておきましょう。
ステップ2:収入と経費を集計する
1年間(1月1日〜12月31日)の副業に関する収入と経費を集計します。収入は振込金額ではなく、手数料や源泉徴収税額を差し引く前の総額で計上するのがポイントです。
副業で経費にできるものの例:
| 経費の種類 | 具体例 | 注意点 |
|---|---|---|
| 通信費 | インターネット回線、スマホ料金 | 業務使用割合で按分(例:業務50%なら半額) |
| 消耗品費 | パソコン周辺機器、文房具 | 10万円未満は一括経費、10万円以上は減価償却 |
| 新聞図書費 | 書籍・教材・オンライン講座 | 副業に関連するものに限る |
| 支払手数料 | クラウドソーシングの手数料 | 手数料率はサービスにより5〜20% |
| 旅費交通費 | 打ち合わせ・取材の交通費 | ICカード履歴や領収書を保管 |
| 地代家賃 | 自宅の家賃(在宅作業の場合) | 作業スペースの面積割合で家事按分 |
| 水道光熱費 | 電気代(在宅作業の場合) | 作業時間の割合で按分が一般的 |
経費の証拠として、領収書やレシートは7年間保存する義務があります。クレジットカードの利用明細やネットバンキングの取引履歴も証拠として有効です。
ステップ3:確定申告書を作成する
確定申告書の作成方法は主に3つあります。副業初心者が最も手軽に始められるのは、国税庁の無料ツールまたはクラウド確定申告ソフトの利用です。
- 国税庁「確定申告書等作成コーナー」:無料で利用可能。画面の案内に沿って入力するだけで申告書が完成し、そのままe-Taxで送信できる
- 確定申告ソフト:freee、マネーフォワード クラウド確定申告、弥生のクラウド確定申告など。銀行口座やクレジットカードとの自動連携で入力の手間を大幅に削減できる
- 税理士に依頼:費用は3〜10万円程度かかるが、複雑な副業所得がある場合は正確で安心
ステップ4:申告書を提出する
作成した確定申告書の提出方法は以下の3つです。
- e-Tax(電子申告):自宅からオンラインで24時間提出可能。マイナンバーカードが必要
- 郵送:管轄の税務署宛に確定申告書を郵送。消印日が提出日となる
- 税務署窓口に持参:確定申告期間中は混雑するため、早めの来庁がおすすめ
ステップ5:納税または還付を受ける
確定申告の結果、追加の税金が発生した場合は期限内に納付が必要です。納付方法は振替納税、クレジットカード、コンビニ(QRコード)、ダイレクト納付などから選べます。逆に税金を払い過ぎていた場合は、申告後1〜2カ月で指定口座に還付金が振り込まれます。
e-Taxとスマホ申告の具体的な手順
e-Tax(電子申告)のメリット
e-Taxを利用して確定申告を行うと、以下のメリットがあります。
- 自宅から24時間いつでも申告可能(税務署に行く必要なし)
- 青色申告特別控除が65万円に(書面提出の場合は55万円)
- 還付金の振込が早い(通常2〜3週間、書面は1〜2カ月)
- 添付書類の提出省略が可能(源泉徴収票など)
スマホでe-Tax申告する手順
事前準備として必要なもの:
- マイナンバーカード(2025年10月以降、ID・パスワード方式の新規発行は停止済み)
- マイナポータルアプリ(スマホにインストール)
- 源泉徴収票・経費の集計データ
申告の流れ:
- 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」にスマホでアクセス
- 「作成開始」をタップし、マイナンバーカードで認証
- 収入・経費・各種控除の金額を入力
- 税額が自動計算されるので内容を確認
- 電子署名を行い送信して完了
確定申告ソフトの料金比較(2026年版)
初心者には確定申告ソフトの利用がおすすめです。主要3サービスの料金を比較します。
| サービス名 | 最安プラン(年払い月額) | 特徴 |
|---|---|---|
| freee会計 | 980円/月〜 | スマホ操作に強い。初心者向けのUI |
| マネーフォワード クラウド確定申告 | 1,280円/月〜 | 銀行口座の自動連携が充実 |
| 弥生のクラウド確定申告 | 初年度無料〜 | 白色申告は永年無料プランあり |
副業の確定申告が初めてなら、弥生のクラウド確定申告(白色申告プラン)が永年無料で始めやすいでしょう。青色申告に挑戦したい方は、freeeの操作性の良さがおすすめです。
副業の確定申告で損しないための節税ポイント
青色申告と白色申告の違いを比較
副業を事業所得として申告する場合、青色申告と白色申告のどちらかを選択できます。
| 比較項目 | 青色申告 | 白色申告 |
|---|---|---|
| 特別控除額 | 最大65万円 | なし |
| 記帳方法 | 複式簿記(65万円控除の場合) | 単式簿記(簡易帳簿) |
| 赤字の繰り越し | 最長3年間可能 | 不可 |
| 家族への給与 | 全額経費計上可能 | 配偶者86万円、その他50万円まで |
| 事前届出 | 必要(開業届+青色申告承認申請書) | 不要 |
年間の副業所得が数十万円以上あるなら、65万円の青色申告特別控除による節税効果は非常に大きいです。確定申告ソフトを使えば複式簿記のハードルも下がります。
見落としがちな経費と控除
副業の確定申告では、以下の経費や控除を見落としやすいので確認しておきましょう。
- 家事按分:自宅で副業をしている場合、家賃・電気代・通信費を業務使用割合に応じて経費にできる
- 減価償却費:10万円以上のパソコンや機材は、耐用年数に応じて毎年経費計上
- 社会保険料控除:国民健康保険料や国民年金保険料は全額控除対象
- 小規模企業共済:掛金が全額所得控除になる(月額1,000円〜70,000円)
- iDeCo(個人型確定拠出年金):掛金が全額所得控除(会社員は月額最大23,000円)
まとめ:副業の確定申告は早めの準備がカギ
副業の確定申告は、正しい手順を理解して必要書類を揃えれば、決して難しいものではありません。特に確定申告ソフトやe-Taxを活用すれば、初めての方でもスムーズに申告を完了できます。最後に、この記事の重要ポイントを整理します。
- 副業の所得(収入−経費)が年間20万円を超えたら確定申告が必要
- 令和7年分の申告期限は2026年3月16日(月)
- 2026年提出分から基礎控除が最大95万円に拡大(所得132万円以下の場合)
- e-Tax(電子申告)を使えば自宅から24時間申告でき、青色申告控除も65万円に
- 確定申告ソフトを活用すれば、初心者でもスムーズに申告書を作成できる
- 経費の計上漏れや控除の申告忘れがないか、提出前に必ず確認する
初めての方はまずfreeeやマネーフォワード クラウド確定申告などの確定申告ソフトを試してみるのがおすすめです。正しく申告して、副業の手取りを最大化しましょう。

