メルカリの売上に確定申告は必要なのか——これは副業や不用品販売を始めた多くの人が最初につまずくポイントです。結論を先にお伝えすると、着なくなった服や家具など「生活用品」を売っただけなら原則として確定申告は不要ですが、転売やハンドメイドなど「利益を得る目的」の販売は課税対象になり、金額によっては申告が必要です。この記事では、あなたのメルカリ利用がどちらに当たるのかを判定フローで整理し、必要な人・不要な人の線引き、経費、申告の手順までを2026年時点の情報でまとめます。
メルカリの売上に確定申告は必要?まず結論から
同じ「メルカリで売る」でも、売るモノと目的によって税金の扱いはまったく変わります。ここを取り違えると、本来不要な申告に不安を抱えたり、逆に必要な申告を見落としたりします。まずは大枠をつかみましょう。
不用品の売却は原則「非課税」
自分が生活の中で使っていた衣類・家具・家電・日用品などを手放す行為は、税法上「生活に通常必要な動産の譲渡」に当たり、その利益は所得税がかからないとされています(所得税法第9条)。つまり、クローゼットの整理で不要になった服を売って数万円になっても、それだけなら確定申告は不要です。中古で売る価格は購入時より安いことがほとんどで、そもそも「もうけ」が出ないケースが大半である点も理由の一つです。
確定申告が必要になる2つのケース
一方で、次のような場合は課税対象となり、金額次第で確定申告が必要になります。
- 利益を得る目的で仕入れて売った(転売・せどり)…その利益は雑所得または事業所得
- ハンドメイド作品やデジタル制作物を継続的に販売した…同じく雑所得または事業所得
- 1個または1組の価額が30万円を超える貴金属・宝石・書画・骨とうなどを売った…生活用動産の非課税から外れ、譲渡所得の対象(国税庁 タックスアンサーNo.3105)
会社員の場合、こうした副業的な所得の合計が年間20万円を超えると所得税の確定申告が必要になります(国税庁 タックスアンサーNo.1900)。20万円以下でも住民税の申告は別途必要になる点は後述します。いくらから申告義務が生じるかの詳しい考え方は副業の確定申告しないとバレる?いくらから必要かもあわせてご確認ください。
【独自判定フロー】あなたのメルカリ売上はどっち?課税・非課税の見分け方
言葉だけではわかりにくいので、自分のケースを順番にチェックできる判定フローと早見表を用意しました。上から順に当てはめてみてください。
3ステップの課税判定フロー
- ステップ1:売ったモノは何か。 自分が使っていた生活用品(服・家具・家電・日用品など)なら、次のステップへ。仕入れた商品・自作した作品なら、ステップ3へ。
- ステップ2:1個/1組30万円を超える貴金属・宝飾品・書画骨とうか。 該当すれば課税(譲渡所得)。該当しなければ非課税・申告不要。
- ステップ3:利益はいくらか。 転売・制作販売の利益(売上-経費)が会社員で年20万円超なら所得税の申告が必要。20万円以下でも住民税申告は必要。
ケース別の早見表
| あなたのケース | 所得の区分 | 確定申告(所得税) |
|---|---|---|
| 着なくなった服・古い家電を売った | 非課税(生活用動産) | 原則不要 |
| 子どもの使わなくなったおもちゃを売った | 非課税(生活用動産) | 原則不要 |
| ブランドバッグ(1点30万円超)を売った | 譲渡所得 | 利益があれば必要 |
| 安く仕入れて高く売った(転売・せどり) | 雑所得または事業所得 | 利益が年20万円超で必要 |
| ハンドメイド作品を継続的に販売した | 雑所得または事業所得 | 利益が年20万円超で必要 |
※あくまで一般的な整理です。判断に迷うケースは、後述のとおり所轄の税務署や税理士に確認することをおすすめします。
転売・ハンドメイドで稼ぐ場合の所得区分と経費
利益を得る目的での販売に当てはまった場合は、「雑所得」か「事業所得」のどちらかで申告します。区分によって使える特典や帳簿の要件が変わります。
雑所得と事業所得の違い
おおまかには、副業として小規模に行っている段階では雑所得、反復・継続・独立して事業と呼べる規模になり帳簿書類の保存などの実態がともなえば事業所得と整理されるのが一般的です。事業所得は青色申告特別控除や損益通算などのメリットがありますが、その分だけ帳簿づけの手間や要件も増えます。両者の判定基準は副業の雑所得と事業所得の違い|判定基準と帳簿要件で詳しく解説しています。
経費にできるもの(仕入れ・送料・手数料)
課税対象になる場合、売上から差し引ける主な経費には次のようなものがあります。
- 商品の仕入れ代金(転売・せどりの場合)
- ハンドメイドの材料費
- 販売手数料(メルカリの販売手数料は売上の10%)
- 梱包資材費・送料
- 売るために使った通信費・消耗品費の一部
利益とは「売上-これらの経費」で計算した金額です。日ごろから手数料や送料の記録を残しておくと、申告時の計算がぐっと楽になります。仕入れて売るスタイルを本格化させたい人はせどり初心者の始め方2026|おすすめ仕入れ先10選も参考になります。
確定申告が必要な人の手続きと記入のポイント
申告が必要と判断できたら、次の流れで準備します。難しく感じても、順番に進めれば会社員でも対応できます。
必要な書類と申告の流れ
- 1年間(1月1日〜12月31日)のメルカリ売上と経費を集計する
- 利益(売上-経費)を計算し、雑所得か事業所得かを決める
- 会社の源泉徴収票を用意する
- 確定申告書に給与所得と副業所得を合算して記入する
- 翌年2月16日〜3月15日の期間にe-Taxまたは書面で提出する
20万円ルールと住民税の注意点
「利益が20万円以下だから何もしなくていい」と考えるのは要注意です。所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告は別途必要になります。確定申告をすれば税務署から自治体へ情報が共有されるため住民税申告は不要ですが、確定申告をしない場合はお住まいの市区町村へ住民税の申告をする必要があります。この仕組みを見落とすと、後から自治体の案内が届いて慌てるケースが少なくありません。
よくある勘違いと、迷ったときの相談先
最後に、メルカリの税金でつまずきやすいポイントを整理します。
「バレなければいい」ではなくルールで判断する
税金は「見つかるかどうか」で判断するものではなく、ルールに沿って正しく申告するのが大前提です。プラットフォームの取引情報は税務当局が把握できる仕組みが整いつつあり、無申告は加算税や延滞税といった余計な負担につながります。不用品の整理なら堂々と非課税、利益を出す販売ならきちんと申告、とシンプルに考えましょう。
迷ったら専門家・税務署へ確認を
生活用品と転売の線引き、雑所得か事業所得かの判断は、実態によって変わるグレーな部分があります。金額が大きい場合や継続的に販売している場合は、自己判断だけで済ませず、税理士など専門家や所轄の税務署に確認することを強くおすすめします。国税庁の公式サイトでも各種取扱いの案内を確認できます(国税庁公式サイト)。
確定申告書への記入イメージ(雑所得の場合)
会社員が副業のメルカリ利益を雑所得として申告する場合、確定申告書の記入は次のイメージです。難しく見えますが、集計さえできていれば転記するだけです。
- 収入金額等「雑 その他」欄…1年間のメルカリ売上(総額)を記入
- 所得金額「雑 その他」欄…売上から経費を差し引いた利益を記入
- 「所得の内訳」や決算・収支の明細…売上先(フリマ販売)・必要経費の内訳を記入
- 給与所得の欄…勤務先の源泉徴収票の金額を転記し、副業所得と合算する
会計ソフトを使うと、売上と経費を入力するだけで申告書の該当欄が自動計算されるため、初めての人ほど活用する価値があります。帳簿づけの基本は副業の税金まとめでも触れています。
メルカリの確定申告でよくある質問(FAQ)
Q. メルカリの売上が20万円を超えたら必ず申告が必要ですか?
「売上」ではなく「利益(売上-経費)」で判断します。転売やハンドメイドの利益が会社員で年20万円を超える場合に所得税の確定申告が必要です。なお、これは給与を1か所から受けている会社員の目安で、医療費控除などで確定申告をする年は20万円以下の副業所得も申告に含める必要があります。
Q. 不用品を売っただけでも住民税の申告は必要ですか?
生活用品の売却で得た利益は原則非課税なので、その分について住民税の申告も不要です。ただし転売やハンドメイドの利益がある場合は、所得税の申告が不要な20万円以下でも、お住まいの市区町村への住民税申告が必要になります。
Q. 赤字(売れた額より仕入れ・手数料の方が多い)でも申告は要りますか?
利益が出ていなければ所得は発生しないため、原則として所得税の申告義務はありません。ただし事業所得として青色申告している場合は、赤字を給与所得と損益通算できることがあり、申告した方が有利になるケースもあります。判断が難しいときは専門家に相談しましょう。
Q. 何年も前に買ったものを高く売れた場合はどうなりますか?
生活用品であれば原則非課税ですが、1個または1組の価額が30万円を超える貴金属・宝石・書画・骨とうなどは譲渡所得として課税対象になります(国税庁 タックスアンサーNo.3105)。プレミア価格で高額になった場合は、対象品目かどうかを確認してください。
まとめ:メルカリの確定申告は「目的と金額」で判断する
- 生活用品の売却…原則非課税・確定申告不要(1個/1組30万円超の貴金属等は例外)
- 転売・ハンドメイドの利益…雑所得または事業所得。会社員は年20万円超で所得税の申告が必要
- 20万円以下でも…住民税の申告は必要
- 経費…仕入れ・材料費・販売手数料(10%)・送料などを差し引ける
自分がどのケースかを判定フローで確認し、必要な人は早めに売上と経費の記録を整えておきましょう。副業全体の税金の全体像は副業の税金まとめ|確定申告・住民税・節税対策で確認できます。
※本記事は2026年時点の一般的な情報をまとめたものであり、個別の税務判断を保証するものではありません。実際の申告にあたっては、最新の国税庁の案内や、税理士・所轄税務署への確認を必ず行ってください。

